<買収側> |
1)規模の利益が期待できる: |
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医材料や薬品などの一括購入や複数の病院での共通した情報システムの導入などコストの低減化が図れる。 |
2)時間を買う: |
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ゼロから立ち上げる場合と違い、即業務を開始できることは環境変化が早い時代には顧客ニーズの確実な取り込みが可能になる。 |
3)人材を獲得する: |
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人材の獲得と育成には多大な時間と費用が必要となる。M&Aにより経験豊富な人材を獲得することが可能になり、既存病院の人材および業務へも大きな効果が得られる。 |
4)リスク低減を図る: |
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新規参入と異なり、既存の経営権を取得することで確実性のある事業展開が可能になる。 |
5)規制を回避する: |
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M&Aにより増床を図った場合、医療圏全体の病床数が増加するわけではないので、増床規制の対象にはならない。また、他の医療法人を吸収合併した場合には、被合併法人に対して認可された法律関係などを引き継ぐことができる。したがって、単独の病院に対する規制を回避して事業規模拡大を図ることができる。 |
6)シナジー効果を期待できる: |
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M&Aにより診療科を増やすことにより、単純な足し算を超える総合的な医療サービスを生み出すことが期待できる。 |
<売却側> |
1)創業者利潤の現金化: |
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医療法人を売却する側にもM&Aのメリットは認められる。例えば、成功した病院であっても後継者難という問題は生じる。後継者がいない場合、廃院して創業者利潤を現金化するという方法も考えられるが、廃院による場合とM&Aによる場合の手続きの煩雑さ・手取額は大きく異なることが通常。手取額に関していえば、後継者がいないことにより廃院した場合には、清算所得に対する法人税と、出資持分に応じた残余財産分配に対する所得税という二重の租税負担が生じる可能性がある。M&Aを利用すれば、清算所得の発生が避けられ、譲渡対価に退職金を組み合わせると税制面でのメリットが得られる。 |
2)雇用の維持: |
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雇用の維持により、地域産業の一貫としての雇用の担い手としての役割も大きく、社会貢献の意味がある。 |